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| ◆ 税務調査Q&A Vo12 |
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今回は、前回に引き続き人件費について、税務調査における調査方法を紹介していきたいと思います。
Q1 人件費について税務署の担当者はどのように調査を進めていくのですか?
A1 税務署の担当者は概ね、次のような点を中心に調査を進めていくものと思われます。
(1) 架空人件費があるかどうかの検討
給与台帳や源泉徴収簿と組織図、配席図、社員名簿、タイムカード等との突合を行い、市役所等に住民登録があるかどうかの照会を行い、不審者を抽出し、架空人件費があるかどうかを検討します。
(2) 個人的費用の付け込みがないかどうかの検討
特に同族会社の場合には、役員の個人的な費用を会社が負担している場合が多く見受けられます。調査においては、法人が支出した経費や取得した資産にかかる領収書、請求書などからその内容を検討し、個人的費用の付け込みがないかを確認します。また、同時に請求書や領収書の書き換えがないかどうかも確認します。
(3) 経済的利益、現物給与がないかどうかの検討
経費科目のうち、福利厚生費、交際費、旅費交通費、地代家賃勘定等の内容を検討し、経済的利益、現物給与の有無を把握し、給与所得として源泉徴収すべきものはないか?あるいは役員賞与とすべきものはないか?を確認します。 また、役員と会社との間の取引を把握し資産の低額譲渡、無利息貸付、債権放棄、資産の高額買入等がないかについても検討します。
(4) 過大な役員報酬や退職金がないかどうかの検討
役員報酬については、定款、株主総会議事録などで役員報酬の限度額が定められているかどうかを確認し、その限度額を越えて支給されていないかどうかを確認します。また、職務内容、その法人の収益状況、使用人との比較、同規模同業種の他の法人との比較等により、その役員に対する報酬が不相当に高額でないかを検討します。役員退職金については、その役員としての在籍期間、退職の事情、同規模同業種の他の法人との比較により検討します。
(5) 過大な使用人給与・退職金の検討
特殊関係使用人(役員の親族や役員の事実上婚姻関係と同様の関係にある者等)に対して支給された給与・退職金のうち不相当に高額な部分があるかどうかについても過大な役員報酬・退職金の実質的な判定と同様の方法で検討します。
(6) みなし役員給与の検討
まず使用人である同族関係者のうち、株主名簿等から、一定の持株割合を有する者を抽出します。 次に、稟議書、経営会議資料などの社内文書から、その者が実質的に経営に従事していないかどうかを検討し、それらの者に支給した賞与が役員賞与に該当するものがないかどうかを調査します。
(7) 使用人兼務役員の検討
使用人兼務役員については、その役員が部長、支店長など職制上地位を有しているか、専務、常務、監査役など使用人兼務役員になれない者でないか、あるいは、オーナー一族など一定の持株を有しているものでないかを確認します。 次に、使用人賞与分としている額の妥当性を、比較対象の使用人に対する賞与との比較で検討します。
(8) 未払賞与の検討
未払賞与については、①その支給すべき額を各人別に、かつ支給を受けるすべての使用人に対し通知しているか、②事業年度終了の日の翌日から1か月以内に通知をしたすべての使用人に対し支払っているか③各人に通知した額を損金経理により未払計上しているかについて確認を行います。
(9) 出向料の検討
親会社などから出向者を役員として受け入れた場合、支払った出向料の中にその出向者の賞与相当額が含まれていないかを検討します。これは、出向者本人に対する給与の支給状況から判定します。そこで賞与相当額が含まれているとされた場合、その金額について役員賞与として申告加算しているかどうかを確認します。また、子会社などから出向料を受け取っている場合には、受け取った出向料と出向者本人に支給した給与の額とを比較して、子会社等に対する利益供与がないかを、確認します。人件費の調査において検討対象となる帳簿書類には以下のようなものがありますので会社の状況を再確認して、あるべきものがないなど整備がされていない場合にはこの機会に整備しましょう。
経費帳、給与台帳、賃金台帳、源泉徴収簿、扶養控除等申告書、株主総会議事録、取締役会議事録、給与振込控、出勤簿、タイムカード、組織図、配席図、社員名簿、履歴書等
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